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君がスタンダード

無所担でなくなった日

「●●くんにもユニットください」

 

無所属Jr.担当にとっての常套句に、全く共感し得ぬまま一年を過ごした。
いよいよ自分の担当にとって"願っても無い"日がやってきたが、わたしはそれを本当に、願っていなかった。

 

無所担当から、いきなりLove-tune担当を名乗らざるを得なくなった日。

 

悪夢のはじまりだとしか思えなかったあの初夏の日から数ヶ月経ち、わたしはあっさりすっかりLove-tune、そしてLove-tuneにいる自分の担当が愛しくてやまないようになっている。

 

どうして彼に無所属のままでいてもらいたかったのか、その時危惧していたもの全てがただの杞憂であったことがはっきりとわかる。それどころか考えもしていなかったような魅力的な担当の姿に出会うことが出来ている。

 

Love-tuneは、夢のはじまりだった。

 


とはいえ、何がそんなに気がかりで、ユニットが受け入れがたかったのか、一応触れておきたい。

 

きっと無所属のままでも満足であったろう理由に、わたしが担当を好きになった昨年の春以降、彼の仕事がコンスタントにあり、活躍の場がない事に悩んだことがなかったからという大前提があることは否定のしようがないが、それを踏まえた上で、"まだ"無所属でいてもらいたかった理由は主に二つあった。

 

一つは、ユニットに入られることで、現場で関わる人ないし彼のキャラや特技が定められてしまってはあまりにもったいないし、まだ早いと思っていたこと。

わたしは無所属の仕事における安定感のなさは、強みだし魅力でもあると考えている。実際彼は寺西くんと谷村くんという、全くタイプの違う二人とシンメを組んだ経験をもつことが出来たし、シンメでなくとも次はどんな人との、どんな姿を見せてくれるのか、現場が変わるたび楽しみだった。

 

また、彼は何かに特別秀でている人ではなくなんでも出来たがる人、かつ近くにいる人の影響を即座に受けるのでその会得していく様を観察するのが非常に面白い。どんなことにも染まりにいける真っ白さがあって、無所属だと絵の具の種類は無限にある。
なんでもそれなりに出来るようになった上で、彼が彼自身の強みを何だと考えるのかをゆっくり探りたかった気持ちがあった。

 

さて、そんな言わば発展途上の状態をもう少し楽しみたかったが、いざLove-tuneに加入になるとこの役割問題に向き合わないといけない。その時、このメンバーの中では長妻が一番なにももっていないではないか、何もできないではないか、このままでは埋もれてしまうという不安がよぎった。
そして案の定、方向性が打ち出された。キーボードという完全なるnewスキルと、ジャニワ'15-16の時に習得しはじめたアクロバットを積極的に行うというもの。
はじめの頃は「誰もいないからその役をやれば?」と言わんばかりの、無理やりとも思えるキャラ付けに当然頭を悩ませた。長妻である必要を感じなかった。

 

しかしキーボードはともかく(バンドを名乗る以上、本当に弾けるようになって当然。完全に課題である)、アクロバットに対してこちらがこわくなるぐらい貪欲な彼の姿を見て、段々と発想が逆転してきた。長妻が一度に二つも新しいことに挑戦させ甲斐のある人物であって、彼なら出来ると踏んで与えられた役割だということを誇るべきではないか、と考えるようになった。彼は自身の技量を考える前にやります、というタイプなはずだし、今まで持ち前の度胸と座右の銘の『全力投球』と強靭な精神力でどんな仕事も完璧でなくともやり抜いてきた。


Love-tuneにおいては、あれ程スキルフルなメンバーが集まっていたにも関わらずさらにユニットを強くしようと、そこにはなかったものを既にもっている人を選んだのではなかった。これから出来るであろう、さらに言えばなんでも出来るであろう可能性とその実現力こそ長妻の武器で、無所時代に見せつけてきたその姿勢を、そのままLove-tuneは買ってくれて、それを信じてくれている結果が今の彼だと思う。何も出来すぎないこと、それこそが強みだったと今となっては感じる。

 

しかも何より懸念していたそれらだけになることはなく、ダンスや演技などのスキルも元々のキャラクターを尊重しながらきちんと教えてくれて、伸ばしてくれていることがわかる。特にダンスに関して疎かになることが本当に不安だったのだが、美勇人くんが『全部を教えたい』と言ってくれている程であり、心強い。先述の通り、人のイズムをすぐ長妻は自身に反映させるので、美勇人くんと長妻をみてるとそれに気がつくことが出来る。今は、それでよい。

 

もう一つは、ユニットを組む上で最適な場所がないと考えていたこと。
もともと長妻×人が主な興味対象のわたしにとって、全く思い入れのないユニットに入れられることよりこわいことなんてなかった。長妻以外を愛せないかもしれないユニットにもし入られたとしたら、これまでのスタンスで応援し続けていけるのか、担当でい続けられるのか、自信は全くなかった。
とはいえ、例えば今まであった"寺西たち"*1や"ユニット名未定"*2で本格的に活動してほしい、とも思ったことはなかった。

 

そう、まさにLove-tuneはその考えうる最悪のケースだと思われた。『ユニットください』と宣う人達にずっとずっと苛立っていた。ユニットに入って、単純に担当の活動の場さえ増えればいいのか?彼が、彼だけがぽんと投げ込まれた世界でも?ほぼ馴染みのなかった人たちに、彼も、わたしも溶け込んでいかなければならない難しさを、過剰なまでに感じていた。

ようやくわたしがLove-tuneにきちんとはじめまして出来たのは、7/26のサマステ初日だった。

その前に放送のあった少クラのFIRE BEATで、絶望しかなかった自分の心境に変化はすでに起きていた。
自己紹介のように増えていく3人のメンバー。長妻は、サビのダンスでセンターに立っていた。その今まで全く見たことのないような光景と、彼の表情に震えが止まらなかった。素直に、あまりにもかっこよくて、興奮した。かっこいいと思ったのなんて、すごく久しぶりだった。
この本気の渦の中で生きていくことになる長妻に、『ここじゃない』とは全く思わなかった。

 

そして終始緊張しながら見たサマステで、フリーになったときに絡みに行ける人がおらず一人ふらふらとする姿をみたときに、いよいよ本当に今までと違うフィールドにいるんだなという実感が湧いた。しかし、期待通りLove-tuneのパフォーマンスそのものは彼を置いて行かなかった。むしろ、彼だからこその見せ場までつくってもらえた。長妻のポジションを、長妻でなくてはならないようにしたいという工夫をしてくれている人達だと感じられて、嬉しかったし、本当に楽しかった。


『扱い方がちょっと不安定』問題(by阿部亮平くん)(余談だが彼ははじめのころからこれに気がついて積極的に絡んでくれていたので感謝しかない)も、彼らが過ごす日を重ねていくうちにあっさり解決していた。現場ごとでなく申し訳ないが、たまたま彼らの健人くんソロ&キスマイドームの見学に居合わせたとき、彼らのとてもよい雰囲気をこの目で見ることが出来て心底安心したし、その後の雑誌の取材や、えびSLT、ドリボ…と同じ時を過ごしただけどんどん信頼と親睦を深めていき、今の仲の良さそうな、もし本当はそうでなくとも仲良さげに見せてくれている姿が、わたしはたまらなく好きだ。

 

ぽつん、と放り込まされた長妻は、それだからこそ、みんなにないものをもっていた。そんな彼を、メンバーみんなが理解しようとしてくれて、素直に刺激を受けてくれている姿からは、他のメンバーの今までの経験値の高さが伺える。まっすぐ彼を評価できるのは、今までたくさんの人をみてきたからだろうと思うから。

 

Love-tuneに入っても、長妻は相変わらず真っ白のまんまでいてくれている。
無所属時代、たくさんあった絵の具を、今までは自分でぺたぺた塗っていた。いよいよ、筆をもってくれる人達があらわれた。でもその人達は、自分勝手に塗ろうとはせず、きちんとたくさんの色を使って、塗るどころか絵まで描いてくれるような人達だった。

 


ただ単に彼の独特のダンスが気になった日から一年、彼はどれだけの文字数をわたしに書かせてるんでしょうね。全く、彼の担当は面白い。

 

わたしの長妻に対しての、かわいい、かっこいいだけで終わる人になって欲しくないという願いが、なんだか叶いそうな気がする。
長妻の、そしてLove-tuneのメンバーの今までとこれからに大いに感謝しつつ。
『担当はLove-tuneです』と胸を張って言える幸せを噛み締めている。

 

*1:森継、寺西、原、目黒、長妻、谷村による2015年夏の台風。4人の武者無所お兄さんのところへの谷れお短期留学みたいな実態であったが、人気のシンメの安定した供給がされていて、あれだけ一緒にいたのに貴重なオフの日に6人でコスプレしてテーマパークに行って交遊を深めるなど勢力を拡大しながら5〜8月の間停滞し続け、その影響の爪痕が大きい(特にわたしへの)。ちなみに無所6とかいう特定性の薄い数字に彼らを当てはめるのが嫌で、わたしはその表現は使わない。

*2:なんかの雑誌のなんかのアンケートで突如結成が噂された長妻、谷村、前田、根岸、海宝というほぼキャリアも年齢も同じの仮ユニット。歌番組のバックで一回、あとは何度か雑誌のくくりが同じだった程度で表立った活動はなかった。確かに平和そのものだったが、長妻がセンターでありリーダーになり得そうなユニットでは彼ら全員のこれからを活かしきれないはず、とわたしは乗り気ではなかった。各々の個性はなかなかのものなので、メンバーは当然好き。